2011年6月16日木曜日

世界大恐慌を超えた「史上最悪」の米住宅価格 下落

S&Pケースシラー住宅価格指数
S&Pケースシラー住宅価格指数
3月のS&Pケースシラー住宅価格は前年同月比で3.6%低下と、2009年11月以来の大幅低下。S&Pの指数委員会のデービッド・ブリッツァー委員長は、発表資料で「統計は住宅価格が全米の広範囲にわたって二番底にあることを裏付けた」と指摘

現在の住宅市場がいかに最悪の状況であるかは以前も説明しましたが、次のグラフをみれば、現在がいかに「最悪」であるかよく分かる。


1980年からのケースシラー住宅価格
1980年からのケースシラー住宅価格

こちらのグラフでは、1925年から1933年までの住宅価格は30%下落した。一方、2006年から2011年3月まで33.1%下落しており世界大恐慌時より下落幅が大きい。

つまり現在は世界大恐慌時を超えた最悪の住宅市場といえる。

全米不動産協会によれば、米国では住宅向け貯蓄が根付いておらず「5人に1人しか20%の頭金を用意できない」。

住宅の買い手がいない米住宅市場の2番底はどこまでいくのか?



**(補足)

大恐慌時の株価暴落とは銀行融資の条件が現在と異なります。

1930年代の住宅ローンは50%の頭金に5年ローン。現在は20%の頭金に30年ローンが普通。

つまり、1930年代は庶民にとって住宅を所有することは難しい環境で、大恐慌での不動産の下落幅は株式暴落と比べれば遥かに小さのだ。