2011年6月16日木曜日

東電の100%減資か?!或いは、支援か?!

東京電力の株価が一時150円を割ったとか。1年ほど前までは2300円とか2400円していた株価
がこんなに落ちてしまうとは‥

 否、そうではなく、まだ150円の値が付くのか‥なんて思う人もいるかもしれません。

 最近、東京電力は債務超過になっているのではないか、なんてことに関心が集まっている訳ですが‥、まだ150円の株価が付くということは、株主はまだ債務超過には陥っているとは判断していないとも取れる訳ですが‥ただ、東電の株式時価総額は3000億円を切っている訳ですし‥その一方で、まだ確定していない賠償債務が数兆円もあるということが事実であるとすれば、今は債務超過ではなくても、債務超過になるのは時間の問題であるとの考え方も成り立つ訳なのです。

 但し‥
 賠償債務が確定する前に政府が資本注入に協力をしたり‥或いは銀行が債権放棄に応じたり‥

或いは電力料金の大幅値上げが認められたりすれば、どうにか債務超過に陥ることを回避することも可能であるのです。それに、賠償債務の方も、一度に計上するのではなく、はっきりと固まったものから少しずつ計上するようにすれば‥、さらに言えば、そもそも今回の事故は人災の要素が大きいとはしても、全てが東京電力の過失ではなく、監督当局の政府にも相応の責任があり、政府も責任を分担するべきであるという議論がまかり通れば、さらに東電の債務を減らすことも可能である訳です。

 となれば、今後東京電力が債務超過になる可能性は、むしろ小さいとみることも可能であるのです。
 で、その上で、長期展望を描くのであれば、確かに相当の年数が必要ではあるが必ず東電は再建に成功するであろうと考えれば‥まだ買うのは早いかもしれませんが、100円を切ったら買わなきゃそんそんという考え方も成り立つかもしれません。

 でも、仮に100円で買ったところで東電が100%減資することにでもなれば、株価はゼロ。つまり、大損もあり得る訳なのです。ちょうど、JALがそうだった様に、最後は手紙一枚の詫びでお終いです_| ̄|○、

 まあ、いずれにしても、そうやってスリルがあるから株は止められない止まらない‥なんて思っている人もいるでしょう。

 ですが、だからこそ一言言いたいのです。そうやって、東京電力の決算を如何様にでも操作することができれば、関係者の一言で株価を大きく動かしてしまうことが可能だ、と。

 つまり、枝野官房長官が、銀行が債権放棄に応じないことには国民が納得しない、なんて何の根拠もないことを言うことによって、株価は如何様にでも動いてしまう、と。

 いずれにしても、今後東電をどう支援していくかがポイントになるわけですが‥東電支援なんていうと、東京電力を支援する前に被災地の人々を支援しろ、とか東京電力の顧客を支援しろ、なんて声が聞こえそうですが、東京電力が潰れてしまうと、事故によって被害を受けている人々への補償もできず、そして電力の供給もできなくなってしまうということで、どうしても東電を潰すことはできない、と。

 まあ、それは確かにそうなのです。東電を潰すことなどできない、と。しかしその一方で、東電が債務超過になるのを回避しようとすればするほど、株価はゼロにまで低下することもなく‥、そうなれば債権者の銀行としてはなかなか債権放棄に応ずる訳にもいかない、と。

 しかし、枝野官房長官の意見ではありませんが、銀行が債権放棄に応じないのに、何故国が、従って納税者が支援することがあり得るのか、と。

 でも、そうやって誰も支援の手を差し伸べることができず、黙って見ていると債務超過に陥ることも十分あり得、そうなれば100%減資という最悪な事態になることもあり得るのです。

 ということで、ここのところが大変に重要になるのです。

 「どこが?」

 ですから、債務超過には陥っていないのに、債務超過だと見なして、関係者がそれ相応の負担をし合うという事態です。

 まあ、その辺のところが大変に難しいということなのでしょう。それに、株価が下がった分だけでも、何百億、何千億の単位で銀行や保険会社などは損をしており、その上貸出債権まで放棄するとなれば、自分自身の存立さえ危うくなってしまうのです。ですから、なるだけ損失が一度にどっと計上されるのを銀行は避けたい、と。そんなことを考えている訳でしょう。で、またそういう態度でいるからこそ、なかなか東電支援に対する態度も固まらないのでしょう。

 いずれにしても、国の責任の内容をはっきりさせないことには、東電の債務をはっきりと確定させることもできない訳であり、今後相当の時間と手間がかかると思われます。

 とても険しい道になるでしょうね。