『バーナンキFRB議長の敗北宣言』(歴史上初めての記者会見)
��月27日、米連邦準備理事会(FRB)は、連邦公開市場委員会(FOMC)声明で6000億ドル規模の長期国債購入プログラム(QE2)について、期限どうりに6月末で終了すると発表した。
絶対にやってはいけない掟破りの裏技の米連邦準備理事会(FRB)による国債購入を止めれば、QE2で辛うじて維持していたアメリカ経済は持たない。
もはや誰にとっても最後のカタルシスは避けれない。
��6年前の8月15日のヒロヒト天皇の肉声放送(玉音放送)と同じような意味で、バーナンキFRB議長は、史上初めてFOMC終了後、今までの慣例を無視した異例中の異例の公開記者会見を開いたのです。
『玉音放送との共通点』
��6年前のヒロヒト天皇の言葉の意味も実に分かり難かった。
玉音放送の何処にも『日本が戦争に負けた』の言葉は無かったのです。
国民に向かってポツダム宣言を受け入れたので『辛いが辛抱して頑張れ』と語っているのですから、これでは日本の敗戦ではなくて戦争継続の激励だと誤解する国民も一部には出て仕舞ったのです。
バーナンキFRB議長は66年前のヒロヒト天皇と同じ手法を今回採用した。
ポツダム宣言受諾とは日本の無条件降伏を意味するが、FRBのQE2の終了とはアメリカの国債の崩壊(アメリカ資本主義の崩壊)を意味しているのです。
日本国民は『ポツダム宣言』(日本軍の無条件降伏)の意味するものが何であるかは誰にも知らされていなかったが、多くの市民は即座に意味を理解することが出来た。
元々日本語の特徴として、この様な時に『敗戦した』『駄目(NO)だ』などと断定的なことは言わない約束事なのです。
実体の白黒をはっきりと表現しないが、受け取り手がお互いに中身を推察して理解するように出来ているのですね。
だから玉音放送のようなYES、NOが存在しない曖昧表現でも日本人のほとんどが忖度して即座に内容を理解出来た。
ところがアメリカは言葉の成り立ちも基本となる文化も違うので、『忖度』して理解することが無理なのです。
『フクシマとも共通している安全神話』
バーナンキFRB議長は『アメリカ資本主義はもう駄目だ』と白黒の結論を言わなかったので、周りのアメリカ人の誰もFRB議長発言を理解するものがいないのが現状である。
情けないですね。
これだけはっきり結論が出ているのに、それでも『NO』をはっきり言わないとアメリカ人では言葉の中身が理解出来ないのです。
バーナンキFRB議長は、2008年12月にゼロに設定した政策金利フェデラルファンド(FF)も今回QE2と同時に『止める』と言っているのですよ。
これが『何を意味しているか』(最後のカタルシス)が、即座にに理解できるアメリカ人は居なかった。
『NO』どころかバーナンキ議長は『FFを低水準に据え置く』とか『景気はその後は持ち直す』とか『償還資金を再投資する』とかの、内容とは反対の無意味な印象を語っているのですね。
それで『FRBは今までどうりである。金融緩和を継続する』(実質的QE3)と言葉の真の意味を理解出来ず、悲惨な現実を隠蔽する目的の意味の無い『形容詞』を自分勝手に判断する愚か者が出てくる。
危機管理がなっていない。
危機管理の基本とは先ず『最悪を想定』して対策を立てることである。
その逆の『自分にとっての最善』(願望)だけを考えるのは『危機管理』とは無縁で、宝籤を買う時の心理状態に近いだろう。
『最善だけ予想』するのは希望や願望であり、本来予想とは呼べない。
この超楽天的態度は、自分が流した嘘である原発『安全神話』を自分自身が完全に信じて大失敗した東京電力や東芝、日本のマスコミ、産経や読売の信じがたい愚かさと同じ種類のものであろう。
『帝国の崩壊』 加害責任と情報公開は矛盾する
��5年前のチェルノブイリと今回の福島ですが不吉なことに奇妙な一致点が幾つもあり、余りにも色々なことが似すぎているのです。
特に似ているのは今のマスコミの大本営発表ではないでしょうか。
原発事故など全ての人工的放射能の被害は天災ではない。
明白な人災で、それも想定外どころか予定どうりの範囲の怠慢と責任逃れと恥知らずな未必の故意であり、事前に認識されていた『悪意ある過失』です。
そうです。
悪意ある(賠償責任がある)『加害者』がいて、そして大勢の情報から取り残された善良な『被害者』が出ている構造なのです。
ここで一番の問題点とは、その加害者側だけが『放射能』では全ての情報を一方的に握っている。
これで放射能の正しい報道が行われる方が余程可笑しい。
必ず、悪い方が『何とかして責任逃れしたい』との誘惑にかられるので、間違いなく被害が最小限に隠蔽される。
放射能以外の水銀中毒の水俣病やカドミウム中毒のイタイイタイ病など他の公害事件でも、被害者と加害者とでは情報が平等ではないどころか、一方的に賠償責任がある加害者だけが情報を握っている関係で、『責任』は隠蔽される仕組みが最初から出来上がっているのである。
放射能では恐ろしいことに他の公害事件よりも条件が悪すぎる。
他の公害事件とは大違いで、彼我の情報量の不平等が際だっていて、これが余計に加害責任を曖昧にして不正を加速させる。
この為に、今の日本で流されている様な何処を切っても同じ金太郎飴にそっくりな『大本営発表』がおこなわれることになる。
今報道で流されている『放射能は安全です』とか『ただちに影響は出ない』とは、66年前の『カミカゼ特攻』や『バンザイ突撃』、『集団自決』と同じ種類の、国辱的な恥ずべき忌まわしい言葉として未来の歴史に記録される可能性が濃厚である。
『ソ連崩壊との奇妙な一致点』
先ず3・11直前と同じで当時のソ連でも原発は『大きなサモワール(ロシア式湯沸し器)程度』の危険であるとの、『原発安全神話』が極限まで膨らんでいて原発従事者までが信じていたらしいのですよ。
根拠無き『安全神話』の横行と、其処から生まれる極端な無責任体質こそが事故の第一原因でしょう。
今度のQE2は6月で打ち切りが決まりアメリカ国債の崩壊、ひいてはアメリカ経済の崩壊は避けれませんが、25年前の当時もソ連型社会主義経済の矛盾は矢張り極限まで来ていた。
チェルノブイリの3年後の1989年のソ連軍のアフガン撤兵と同じで、アメリカ軍も10年間続いていたアフガン戦争が矢張り限界に来ていて完全にいき詰まり遠征軍の撤兵が今年の7月から始まります。
経済だけでなく軍事でもアメリカの支配は大きく損なわれる。
アフガンからの撤兵が今年の7月からオバマの公約どうりに行われるでしょう。米国防長官に二代続けてCIA長官が指名されましたが、これも異例中の異例で前代未聞で前例が無い。
ベトナム戦争では『不敗神話』の米軍が撤兵する為に色々な不思議な情報操作が行われたのですが、今回情報戦を最も得意とするCIAが米軍を指揮するとの前触れでしょうか。
それならアポロ11号以上の面白い不思議なサーカスが見られるでしょう。(余り見たくないが、世界の市民全員が強制的に見せられる)