2010年春、ゴールドマンサックス幹部は住宅ローン関連債の証券詐欺で、議会の小委員会で証言にたった。 議会でゴールドマンのブランクファインCEOは、「2007年、2008年に住宅ローン債を大量『売り』(ショート)していたわけではない、住宅市場に対して『売り』をしたわけでもないし、顧客に対して欺いたわけでもない」と証言した。
この証言が正しければ、ゴールドマンはこの130億ドルの「売り」は『大量』ではないということになる。ゴールドマン幹部は、住宅ローン焦げ付きの危険性を完全把握し、資産売却に動いていたやり取りが残っている。
■ ブランクファイン最高責任者のEメール
ゴールドマンの最高責任者ブランクフェイン氏も、同社資産の「清浄化」に気を配っていた。
「これら帳簿をきれいにできたのだろうか? 我々は、部門を通して他の帳簿にある猫と犬を十分に売り切っているのだろうか?」(ブランクフェインCEOはEメール)
��Could/should we have cleaned up these books before, and are we doing enough right now to sell off cats and dogs in other books throughout the division?)
では、ゴールドマンはどのように『猫と犬』を売り切ったのか?
リスキーなモーゲージ関連の金融商品を作って、ゴールドマンを信頼している顧客に売りつけた。 その代表的な取引が「ハドソン」と「ティンバーウルフ」取引がある。
■ 「ハドソン」取引
ゴールドマンサックスは住宅ローンの損害を減らすために「ハドソン取引」をデザイン。その作成者は、ゴールドマンのトレーダーのスウェンソン氏(上写真)。ゴールドマンサックスは12億ドルの『猫と犬』を取引に組み込んだ。そして顧客に対しては「ゴールドマン保有の資産を組み込んだ」と言うが、実際にはウォールストリートから引っ張ってきた。
「ハドソン取引」は即効損失をだし、最大の顧客であるモルガン・スタンレーは「ハドソン取引」で9億6000万ドルの損失をだした。
■「ティンバーウルフ取引」
オーストラリアのヘッジファッドBasis Capitalは2007年6月、ゴールドマンとの「ティンバーウルフ取引」で1億ドルの損失を計上した。
その損失をだす4ヶ月前、 住宅ローン部門責任者スパークスとゴールドマン幹部 モンタング氏(上写真)は「ティンバーウルフ取引」についてEメールのやり取りがこうあった。
モンタグ:「CDO、どのぐらい規模で、どのくらい危険か?」
スパークス:「およそ20億ドル、『それ』が心配している取引だ」
5月20日、ビニア最高財務責任者、スパークス氏の出席会議で、ゴールドマンが「ティンバーウルフ取引」について懸念するプレゼンテーション資料には書かれた事
「これは真の市場メルトダウンの可能性がある」
(There is real market-meltdown potential)
オーストラリアのヘッジファンドBasis Capitalに「ティンバーウルフ」を1億ドル販売した4日後の6月22日、ゴールドマン幹部のモンタング氏がスパークス氏に書いた社内メールでこう書かれていた。
「おお、ティンバーウルフはクズ商品だったな」
��"[B]oy, that timeberwof [sic] was one shitty deal." )
Source: Rolling Stone
そして、6月26日、 住宅ローン部門責任者スパークスは、「クズ商品」を最優先で販売するよう社内メールで書いている。
「ティンバーウルフの販売は最優先課題である」
"Top Priority to sell timberwolf”
ゴールドマンサックスは、「サブプライム関連の住宅ローン焦げ付き」いち早く察知し、クズ商品をうまく顧客に販売し利益を上げた。
これが完全に証券詐欺に当たるかは正直わからない。しかし、ゴールドマン社内のやり取り「顧客を騙し、議会で偽証した」と思われても仕方がないだろう。