2011年6月16日木曜日

G2(米中同盟)と日本の行方!?

米中同盟(G2)は,米国の金融危機が深刻な様相を呈し出した2008年夏に米国側から中国政府に提案されたものでした。
この米国側から提案されている事実が、現在の米中の力関係を端的に表しているものなのです。

それは“A Partnership of Equals”,すなわち「対等なるものの協力」であり,米国は中国を「対等」な相手と位置づけしての同盟関係の構築を要請した、画期的な世界パワーバランスの大変動であったわけです。

さらに日米同盟に関しては、米中は 古い問題,新しい問題に関係なく,基本的にはアメリカと中国がG2を形成し,両国がグローバルな統治プロセスの主導役を担うことであり、EU,または日本のような他の主要勢力もこのプロセスに関与させる必要があると、公然と日米同盟の解消とそれに代わる米中同盟の形成の提案をしているのです。
そしてそれは少なくとも,日米同盟を米中同盟に従属させることの提案である事は間違いない事実なのです。

さて、それから3年後の現在。それらはどのように推移しているのでしょうか。

G2同盟が提唱された直後の日本の反応は、危機感をもって受け止めた層と、それらを米国の中国に対するリップサービスに過ぎないと冷笑する向きに分かれていたと思います。
それは特に、日本の旧態依然としている保守層に多く見受けられ、それらは現在の支配層としての自分達の利権を汲々として守り抜こうと言う意思の表れでもあったと思われます。

中国経済が日本経済を追い越し世界2位に躍進したとしても、それらはバブルであり、かつての日本がそうであったように、それは資本主義経済のあだ花であり、必ず崩壊するものであるから米国が米中同盟などと中国を持ち上げても、それが崩壊するまでの事であり、日米同盟がそれにより毀損するなどは笑止千万といわんばかりの論説が多かったと思うのです。
それは中国に対するやっかみと蔑みの複雑な感情が入り混じった反応であったと思われるのですが、果たして現実はどのようになっているのでしょうか。


まず、中国バブルは崩壊するのかどうかという大きな命題について考える事にします。

確かに中国沿岸部都市の過剰ともいえる経済発展をみるにつけ、かつての日本の資産バブルを彷彿とさせます。
しかしながら、日本の資産バブルのピークがわずか数年(実質2年)で崩壊したのに比べたら中国のそれは明らかに違うという事が判ると思います。
崩壊しそうでしないのと、一時急落しても、また逞しく上昇するという、かつての日本とは比べ様がない経済発展を続けている様子が見て取れるのです。

この中国資産バブルと日本資産バブルを比べると明らかな相違点があるのです。
まず日本のプラザ合意です。

亡き竹下登元総理が大蔵大臣の時に米国により締結させられた合意書です。
それは後日、竹下元総理が晩年の著書「我、万死に値する」に米国のたくらみを見抜けなかったとして、死の直前に日本国民に懺悔した事でもお分かりの通り、明らかに米国より仕掛けられた策略であったのです。
��我、万死に値する。は発日後、すぐに店頭から姿を消し、アマゾンでもヒットしませんでしたが、最近は買えるようです)

それにより、資産バブルが発生し、そして日銀により崩壊させられたのは御存知の通りです。
日銀により崩壊させられたというと奇異に聞こえるかもしれませんが、それは紛れもない事実なのです。
そしてその後の20年以上に渡る日本の大不況もまた、日銀により仕掛けられているといっても過言でないのです。
なぜ、日本の中央銀行が日本の為の金融政策を行わず、他国(特に米国)の為の金融政策を行うのか?

日本を一気にバブルに持って行った澄田智元日銀総裁は、日銀退職後にフランスのラザール・フレールという投資銀行の顧問に迎えられた事は有名な話ですが、論功行賞とも言えるものであったのでしょう。
いわずとしれた欧州の覇者であるロスチャイルド系の投資銀行です。
その後を次いで日銀総裁に就任してバブルを崩壊させたのが日銀プロパー、平成の鬼平こと、三重野でした。

日銀はロスチャイルドの作った中央銀行とも言われています。
株式会社である日銀は日本政府が株の半数を所有していると言われていますが、日本政府とは何かが今一つはっきりしないのと、30%が個人所有であると言われ、さらに外国人であるとも言われており、いずれにしても
それらは一切明らかにされる事はありません。


ここで現在の米国と中国のバブル経済を考えてみたいと思います。

オバマ政権は5回連続で中国の為替操作国認定を見送っています。
つまり不当に自国通貨安を演出して、経済的に有利な状態を維持している中国を支持、黙認していると言う事です。
これは日本に対してプラザ合意により、通貨切り上げ(円高)を強要した政策とは正反対の通貨安(元安)による中国優遇策と言えます。

ではなぜそうなのかを考えます。

冒頭に米国が中国に対してG2(米中同盟)体制を提案した事と、それが米国の2008年の深刻な金融危機の時であった事を記しましたが、これがすべてを表しているのです。
つまりG2体制とは中国による米国買い支え体制であると言えるのです。
中国がドルを買い支えてくれる限り、米国は安心して暴落しない程度のドル安政策を取れるわけです。
中国はドルを買い支える為に人民元を刷り続けてドルを買い続ければいいわけですし、米ドルと中国元が固定相場の現状ではドル安、元安による、米中同盟が成り立つわけです。
ここに現在の米国による、変な自信(中国の買い支えで当分破綻しない)による米国が破綻するぞ、破綻するぞ、の脅しがあるのです。

貨幣経済というのは、信用創造である事は御存知だと思いますが、景気をよくするのは簡単であり、中央銀行
がお札を刷りまくり市中に供給すればいい事で、現在の中国、米国が行っている事であるわけですが、ではなぜ日本はそうしないのか?
エコノミストや評論家が言う小難しい経済理論などはすべて嘘であり出鱈目で、経済学とは宗教であるというのが最近の定説になっているのですが、これらの目くらましにより日本と日本国民は延々と円高により搾取され続けているわけで、もし日銀が日本政府による日本人の為の中央銀行であるとすれば、米国や中国のように、超金融緩和を行う事により、為替を円安に誘導すれば世界中に日本車や日本製の家電製品、いやすべての日本製品で溢れかえり、日本は世界に敢たる地位の一等国に返り咲く事は明白であるのです。


ではここで、世界中の国家国民にとって現在の状況はどういう事であるのかを少し考えます。

まずどこの先進国でも自国通貨が安ければ輸出貿易に有利であり、国策として為替安に持って行こうとします。
しかしながら、際限のない通貨発行は財政破綻に繋がり、行う事はできません。
唯一それが可能な国は国債がほとんど国内で償却できる日本だけであるのです。
つまり国民の富がまだ健在であるわけで、使い様によっては次の基軸通貨候補であるわけなのですが、それは
米国、欧州、中国などにとっては許しがたき事であるわけです。

しかしながら国家と言っても一枚岩ではなく、たとえば米国は連邦議会は国民の代表であるので中国の為替操作国認定には積極的であり、オバマ大統領は国際金融資本や大企業の傀儡であり、消極的であるのです。
さらには中国には途方もない安い人件費がありますが、米国や欧州を脅かす技術はありません。
そこに世界中の大企業が中国を生産拠点にする理由があるのです。
これは日本企業も例外ではありません。
それにより何が起こるかと言うと、先進国の労働賃金の限りない低下が起こるわけです。
これは理論的には中国の全国民の賃金と同じレベルまで低下するまで収まらないと言う事になるわけです。

現状の日本は米中同盟という国際金融資本と13億の超低賃金の労働力の挟み撃ちにあっているわけなのですが、これは国民レベルで言うと世界中の先進国の国民が巻き込まれている現実でもあるわけです。

特に日本は中央銀行が独立した日本国のコントロールが及ばない為、国民が悲惨な金融破綻に巻き込まれる事は避けられない状況であると言えるのですが、これらはどうしてみようもない現実であり、それを非力な我々がどうこう言ってみても始まらないのです。
今後、全世界を巻き込んだ世界再編成の嵐を一人一人の英知を結集して臨んで行くしか方策はないのです。
今回の大災害により、国家とはイザと言うときは国民を助けないものであるという事がよく判ったのではないかと思うのですが、もはや国家に頼って生きれる時代ではないと言う事を肝に命じなけばならないのです!!